2010年08月02日

街中(まちなか)の植物採集

街中(まちなか)の植物採集

Foraging in the City

 

市街地
より多くのローカル植物がユニークなオーストラリアンブッシュの環境を創造するために使用されています。街路、道路の縁、公園、ビルの周囲、ショッピングセンター、教会の中庭、駐車場等その他の公共の場は、現在では意図的かわかりませんが都市部の植物採集家にとって恩恵を被るような造園がなされています。さらに良いことは、サイズが大きいことから個人の庭に植えられないような木がこうしたところに植えられていることです。これらの公共の場に植えられている植物を採集することは、興味のある栄養価の高い食用植物を供給することで1年を通して野生食材を補足します。

 





半世紀以上たった教会の植物の生い茂った中庭や私立学校の校庭では、数本のブンヤ−ブンヤパインツリー(bunya-bunya pine tree)をよく見かけます。クリスマスの時期になると、こうした木からパイナップルの形をした毬果(松毬のようなもの)がたくさん落ちてきて、その一つの実から30個以上の甘いナッツが取り出せます。風味ある大量の種の入った木質のさやを持ったイラワラフレームツリー(Illawarra Flame tree)もまたこのような造園ではポピュラーな植物です。

 大きな木から取れるブッシュフードは多く種類も豊富です。リリピリース(Lillipillies)、キャンドルナッツツリー(Candle nut trees)、ペーパーバークス(Paperbarks)、イチジク、マカデミアナッツ、アスペンツリー(Aspen trees)そしてカカドゥプラムツリー(Kakadu plum trees)等は、街路樹としてあるいは時には空き地で見られます。カカドゥプラムツリーは、1974年のクリスマスにサイクロントレーシーがダーウィンを襲ったときに唯一倒れないでいた木です。実の部分、ナッツ、種子、樹液は地元の人々の好意で時々分けてもらえます。これは特に、例えばブラウンパインプラム(Brown Pine plum-Podocarpus elatum)等の黒っぽい色の食材について言える事で、これらの食材は熟してくると地面を覆い踏みつけられて家の中のカーペットやマット等床を汚してしまいます。多くのありふれた潅木類は、街の植物採集家にブッシュフードをもたらしてくれます。ハニーグレビリア(Honey grevilleas)、ネーティブジンジャー(Native ginger)、ワトルス(Wattles),ジーバングス(Geebungs),ミディムベリー(Midym berry)等その他の土地のグアバが収穫できます。草地でさえもイヌホオズキ(Nightsahde)やアカザ(Pigweed)等を見つけることができます。ある種のブッシュフードはボゴング蛾(Bogong)の移動時期に羽に乗って来たり、セミになるために地面から這い出たりしてきます。

 田舎の町では、クラジョン(Kurrajongs)はメインストリートの中央分離帯のグリーンとして使用されており、ネーティブラスベリー(Native raspberries)は牧場フェンスに沿って育成し、また食用の虫が多く見つかるタンブルウイード(Tumbleweed−ヒユ、アカザ等)が町の郊外に広がっています。オーストラリアのアウトバックの中心に繋がる道路脇には、コンカーベリー(Konkerberry)、ブッシュポテト、野生トマト等の野生食材が繁っています。ポルツラカ(Portulaca−スベリヒユ属の植物、マツバボタンの一種)が不毛な乾燥地帯の全域に広がっており、ブラッケン(Bracken−ワラビの類の茂み)は同様にやや環境の良い地域に生育しています。ほとんどの水場やダムでは、カミカヤツリ(Bulrush−フトイ属やガマ属の植物)、ウオーターリボン(Water ribbon)、スパイク(Spike rush−トウシンソウ属の植物)、ヤビーズ(Yabbies−ザリガニの一種)等がみつかります。牛のいない水の流れる谷間はブッシュフードのスーパーマーケットと言っても良いでしょう。

 ブッシュフードの事が解っていると、思いもよらない意外なところで食べ物にありつけるかもしれません。ここでは都市部で見つけられるブッシュフードを紹介しましょう。

ランキング挑戦中
励みの応援クリックをお願いします。
ブログランキング



この記事へのトラックバックURL